Archive Anecdotage

34. アリゲーター・カントリーでのショッピング

フロリダの「スポーツ・オーソリティ」という靴屋を覗いていたら、店員がささっと寄ってきた。

店員: 「何かお探しですか?」

IG: 「いや、見ているだけなので。」

店員: 「どういったものを?」

IG(仕方なく): 「これに似たようなのがあれば。」

店員: 「どういった用途に履かれるんでしょう?」

IG: 「えっ?」

店員: 「どういう時に履かれるんですか?(店内をずらっと示しながら)」

IG(納得して): 「買い物に。」

店員: 「買い物にですか?」

IG: 「そう、買い物に行く時とか、えー、物を書く時とか。」

店員: 「それならクロス・トレーナーが宜しいですね。」

IG: 「僕の気分に合わせて?」 [注1]

店員: 「サイズはおいくつで?」

IG: 「11。」

店員: 「はい、こちらですね。」

IG: 「ちょっと、これ僕の靴と全然違うけど...」

店員(辛抱強く、小さくため息をつきながら): 「サイズだけちょっと確かめていただけますか?」

IG: 「自分のサイズは知ってますよ。フランスでは45.3、日本では29.0、イギリスでは10.5でアメリカでは11です。」

店員: 「メーカーによっても違いますので。」

IG(諦めて): 「あ、そうみたいですね。これじゃちょっと小さいかも。」

店員(勝ち誇ったように): 「じゃあお客様のサイズは11.5ですね。」

IG: 「でもいつもアメリカじゃ11なんだけど。」

店員: 「前回お買い求めになってから、足が大きくなられたんじゃないですか。」

IG: 「52歳で?」

店員(信用できないという顔で): 「海外でお買いになられたんじゃ?」

IG: 「違います。」

店員: 「さあ、こちらが11.5です。」

IG: 「いや、これはいらないです。こんなの恥ずかしくて履けない。今履いてるような、シンプルな白い靴を探してるんだってば。」

店員: 「でもそちらはテニス・シューズですよ。」

IG: 「そうですか。じゃあどうすればいいのかな?」

店員(高みから見下ろすように): 「それはお客様のなさりたいようにお決め下さい。私どもはお手伝いするだけですので。」

IG: 「そうか、それはよかった。どうもご親切にありがとう。」

店員: 「どういたしまして。またのご来店をお待ちしております。」(と言い残し、次の犠牲者を探しに走り去る。)


(c) Ian Gillan 1997

訳者注:
[1] cross には「不機嫌・イライラして」の意味がある

back to the archive anecdotage
 に戻る