Questions - you got 'em; answers - we got 'em

第58回: 妙に控えめ、グランド足らず、フレット逸話、新しい旅立ち、アイデンティティの問題

From: odd.walter.bakksjo@c2i.net (ODD WALTER BAKKSJO)

ディアー・イアン、

「私のようなとるに足らぬ者がお便りするのは僭越ですが...」云々は省略します。あんまりみんなにそんな事ばかり言われていると、貴方も自分が本当に偉い人なんじゃないかと自惚れてしまうだろうから(笑)。

人生の半分以上、ずっと貴方のファンだった僕なので、一番聞きたいことといっても迷ってしまうけれど、Q&Aページにお便りするからには何か考えなくては...。

1) 長年にわたるミュージシャンとしての生活が、健康の面ではどんな影響をもたらしましたか? エネルギーを使い果たしてしまい、バーンアウト状態になり、医者からストップをかけられたり、少し仕事を減らすようにとか、食事やアルコ−ル、運動などの習慣を変えるように言われたりしたことはありますか? いつも健康でいられる秘けつは?

2) ジョン・ロードがバンドを脱退したことで、一番のデメリットは?

3) 誰か(生存している人でも、歴史上の人物でも)インタビューしたい人を1人選べと言われたら?

4) 娘さんも音楽をやっているのですか? 父娘で共演したレコードが聴けたら微笑ましいですけど...そう思いませんか?

5) 好きな飲み物は?

6) 料理はできますか? もしできるなら、友達や近所の人を呼んでのディナーでは、どんな料理で客をわっと言わせるのでしょう?

7) クリスマスに向けての願いごとは?

8) ちょっと質問の数が多すぎましたか? どんな質問に答えるのが一番好きですか?

9) 僕の名前は Odd Walter [英語読みすると“オッド・ウォルター”(奇妙なウォルター)] なんですが、曲のタイトルとして使えそうじゃないですか(Ted the Mechanic の続編として)? Odd というのは古代スカンジナビア語で槍の先という意味です。Walter はゲルマン語で戦士のこと。でも実は平和を愛する男(教師、歌手、ギタープレイヤー、詩人)ですけど。

みなさんによろしく。たくさんの素晴らしい思い出をありがとう。

Odd Walter Bakksjo
ノルウェー

ハロー、オッド・ワルター、

質問をありがとう。控えめな文面といい、僕の性格について心配してくれたり、色々気を遣ってくれて感謝する。

1)  僕は音楽のお陰で元気で暮らせている。

人間という動物が幸福でいられるには2つの物が必要だと思う。一つは目的意識、もう一つは自分がいるべき所にいるという意識を持てる環境。ミュージシャンという職業において、僕にはこの両方が備わっている。バーンアウトになったことは一度もない。

ジムに通ったことは一度もない。あの匂いが嫌いだし、かかっている音楽も好きじゃない。ジョギングは思考の邪魔になるし、ジョギング・グッズを揃えるのに金を使うのもバカバカしいからやらない。代わりによく自然遊歩道や海岸を何キロも散歩する。道すがら出会う人(ヘッドホンをしてない人に限る)に声をかけるのも楽しい。水泳はいつもやっているし、ツアー中は毎晩ステージで充分なエアロビック運動をしていると思う。

2) 僕の観点からは、デメリットはない。これが現実であって、ジョンが下した決断には敬意を払いたい。ディープ・パープルへのジョンの偉大なる貢献や、彼が僕の人生にもたらした影響は、どれもいい想い出としていつまでも残るだろう。でもまた会って一緒に食事をするのが一番楽しみだ。ジョンにワインを選んでもらって...。そして彼の鋭いウィット。ある時、ものすごく緊張したファンがジョンに「僕は貴方のヒーローです」と言ってしまった。ジョンの答えは「えっ、じゃあ貴方がアーサー王ですか? やっとお目にかかれて光栄です。」

が、今はドン・エイリーの時代、彼がバンドのキャラクターや音楽に新しい要素を吹き込んでくれる。彼の鋭いウィット... 最近ロスでのレコーディング・セッションの後、みんなで夕食をとっていた時のこと。政治の話題になり、「共和主義」についての熱い議論の中、誰かがドンに尋ねた。「ポエニ戦争[注] ...ポエニ戦争については知ってるよね?」「もちろん!」とドンの返答。「毎日ツアーバスの中で、ペイシーと2人でポエニ戦争の話ばかりしてるよ。」

訳者注:紀元前のカルタゴとローマ間の 3 回の大戦。ローマの勝利によってカルタゴは崩壊した

3)  ウラジミール・プーチン。彼がロシアの将来のためにどんなことを計画しているのか、是非とも聞いてみたい。

4) 19歳になる娘は、その年頃の他の子と同じように、自分の生活を楽しみながら自分の才能や可能性を広げつつあるところだ。自分のスタイルで生きて行くのが一番大切な年頃に、パパと一緒にデュエットなんて冗談じゃない。もちろん親子で何かするなんてことは一生ずっとないと決めつける訳ではないが、彼女が自分のアイデンティティを見つけるまでは、それはあり得ない。「有名人のパパのお陰であなたも成功して良かったわね」なんて言われないように。.

5) シチュエーションによるけど、水分が入っている限り余りうるさいことは言わない。

6) 料理は一応できるけど、その才能で誰かをわっと言わせたことはないと思う。(編: うそうそ、あるよ。イアンのスパゲッティ・ボロネーズは絶品 - Steve)  チーズ・フォンデューは得意だよ。

7) 僕はキリスト教信者じゃないけど、クリスマスは誰にとっても色々なことを考えるいい機会だと思う。具体的にはクリスマスがうんざりするほど商業化されている事実、これを何とかして欲しい。それこそ このお祝いの元来の意味にまったく矛盾したことじゃないだろうか。

8) どんな質問でも構わない。僕が選り好みするんじゃ、意味はないだろう。

9) 説明どうもありがとう。槍の先って、どっち側の先かな?

Cheers, ig

From: Pamela Johnson - bdywrks@comcast.net

拝啓

私は80年代スイスのアメリカン・カレッジの学生でした。このカレッジの建物はレイシンの旧グランド・ホテルで、大学が購入するまで長い間使われずに放置されていたものです。

貴方の曲の歌詞に出てくるグランド・ホテルとは、果たしてここの事だろうかと、気になったものでした。

We ended up at the Grand Hotel
It was empty cold and bare
But with the Rolling truck Stones thing just outside
Making our music there
With a few red lights and a few old beds
We make a place to sweat
No matter what we get out of this
I know we'll never forget
Smoke on the water, fire in the sky

スイスでの出来事についての曲であり、またレイシンはモントリューの近くにあることから、この名曲に出てくるホテルは、私達のこの建物だという噂が流れた次第です。

この点についてお答え頂ければ幸いです。宜しくお願いいたします。

Pamela Johnson
アメリカン・カレッジ同窓会幹事

ハロー、パメラ、

ガッカリさせて申し訳ないけれど、曲中のグランド・ホテルはモントリュー市内のグランド・ホテルです。

Cheers, ig

From: Dregsteve re: question from Debs

最後にもう一つ。スティーヴに Highway Star のイントロの部分の音はどうやって出すのか聞いてもらえますか? 彼の演奏をもう1000回ぐらい観ましたが、ポケットにハーレーを隠しているとしか思えません!

よろしく! Debs x

答えは簡単。トレモロアームを一番下まで下げた状態で、まず一番低い弦を鳴らし、アームをゆっくり上に上げる。ピッチが5フレット分ほど上がったところで、次の弦を鳴らす...といった具合に、イアンが歌い始めるまで、ずっとこれをくり返す。

From: jenny_loves_horses@hotmail.com (Jenny Rycroft)

クリスマスちょっと前の私のメールに答えてくれてどうもありがとう! ついに新しいギターをゲットしました。黒と深紫の木目調デザインです。深紫のギターを買うぐらいなので、いかに私がパープルに夢中か分かるでしょう!

今年7月25日のグラスゴー公演(訳者注: 正しくは6月25日)に行けることを祈ってるところです。また最前列で見られるといいんですが、多分無理でしょう。あんなラッキーなことは滅多にないと思うので、前回は本当に嬉しかったです! ディープ・パープルは最高のバンドで、曲も演奏も本当に素晴らしく、心から尊敬しています。

近い内に学校の友達と一緒にバンドを始められるように頑張りますが、みんなあんまり上手くないので、私が色々テクニックを教えて、放課後はなるべくいつも一緒に練習するように説得するしかありません。

いくつか質問があるので、また答えて下さると嬉しいです。

1) バンドを始めるにあたってのアドバイスを貰えますか?

2)  ネットでディープ・パープルの楽譜を探すとしたら、どこがいいでしょうか?

3) もしディープ・パープルに参加していなかったとしたら、今頃何をしていると思いますか?

質問に答えて下さるのを楽しみにしていますので、どうぞよろしく!!!

Jenny(14歳)

PS. あと12日で誕生日、3月13日です。とっても楽しみ!

ハロー・ジェニー、

お便り、コメントそして質問をどうもありがとう。

1) メールを読む限り、今やろうとしてる事が正解だと思うよ。友達と一緒に練習するのを楽しむこと。段々上手くなる子もいるだろうし、途中で辞めてしまう子もいるだろう。君が上達すれば他のメンバーもそれに負けないように上達するだろうし、そうやって続けていけば、気の合う仲間のユニットが出来るはずだ。最初は簡単で楽しい曲から始めること。それからレコード契約や、どうやったら有名になれるかなんて考えないこと(少なくともしばらくの間は。)

2) www.thehighwaystar.com に行って、ページ右側のメニューで「歌詞・タブ譜」をクリックするのが一番。歌詞、コード表その他の譜表は全部揃っているはずだ。

3) 難しい質問だ。今日行う一つ一つの小さな事が、自分の将来を形作っていくものだから。木を扱う作業が好きだし、そっち関係の仕事じゃないかな。

3月13日、楽しい誕生日だったことを祈っているよ。

Cheers, ig

From: orrimaarko@hotmail.com (Orrimaarko P.F.)

イアン、

こんにちは。2年前家内とオーストラリアを旅行中、シドニーでのパープル公演を観ることができてラッキーでした。公演中たしかお父さんがスコットランド人だと言ってましたよね。翌日市内の楽器屋でのサイン会に行った家内に(僕はスティーヴとペイシーのギターとドラム・クリニックに参加)お父さんはゴーヴァンの出身だと教えて下さったそうですが、自分のことを半分スコットランド人、半分イングランド人だと思っているのか、それともイングランド生活が長いからイングランド人だと思っているのか、興味があります。どっちにしてもみんな大英帝国の人間だ...というのはもちろんですが、バンドの略歴などを読んでも、イングランドのバンドとして紹介されています。ロジャーはウェールズ出身、スティーヴはアメリカ人なのにも関わらず!

いつも偉大な音楽に感謝しています。1970年のソーキホール通り[注] にも!(当時僕はまだ生まれていませんでしたが、あの翌日のデイリー・レコード紙は持っています。)

訳者注:70年のパープルのグラスゴー公演の際、売切れの会場に入りきれなくて騒ぐファンで、繁華街の目抜き通りであるソーキホール通りがギッシリ埋まり、『パープルマニア』として翌日の地方新聞がどれも写真入りで第1面の記事として扱った事件。

Ricky

ハロー・リッキー、

お便り、そして難しい質問をありがとう。その通り、僕の父はグラスゴーのゴーヴァン出身で、Gunga Din の歌詞にもあるように(Wordgraphy セクションを参照):

'...My Daddy was from Scotland, and I couldn't understand
A single word he said to me until I was a man...'
(パパはスコットランド出身、喋る言葉は、僕が大人になるまでどれも意味不明だった)

僕は半分スコットランド人、半分イングランド人だけど、育ったのはイングランドだから、イングランド人だと定義していいだろう。ただし旅券その他の書類にはブリティッシュもしくはUKと記入しなくてはならない。イングランドという国およびイングランド人という身分は存在しないようだ。ロンドンのど真ん中、ウェストミンスター(政府官庁街)ですらも。

60年代当時の世界は今とは全く違ったもので、初期のディープ・パープルのラインナップは全員イングランド人だった。69年にロジャーが参加したことによってウェールズの血が混じり、最初に参加したアメリカ人は "Come Taste the Band" 時代のトミー・ボーリン。そして今、スティーヴがバンドに加入してから既に10年が経つ。

多文化的なこの時代、国籍や国を基本としたアイデンティティといったものは、以前ほど大切ではなくなってきているようだが、それでもディープ・パープルは基本的にイングリッシュのバンドだと思う。イギリスの国旗を振りかざすという意味ではなく、僕達のルーツから逃れることは出来ないし、逃れたいとも思わない。

Cheers, ig

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