Questions - you got 'em; answers - we got 'em

第72回: 作者の便秘、タイミング、尻を上げての口パク
異種たること、決断、アルコールの技

From: Ciaran Hennessy

ミスター・ギラン

歌詞を書く上でいちばん長く陥ったスランプはいつ頃で、どれくらい続きましたか? (失礼な質問でなければいいのですが。)

いつも素晴らしい言葉と音楽(と声)をありがとう。

ダブリン、Ciaran (17歳)

P.S スランプの解決法も教えて下さい。
どうぞよろしく。

 

ハロー、キーラン

いい質問だ。

実はここ10年近く小説を書こうとしているんだが、これもある種、書く上でのスランプと言っていいんじゃないだろうか。ちょうど音楽のプロジェクトにきりが付いたことだし、近日中にまた取りかからなくてはと自分に誓ったところだ。

歌詞を書くためのインスピレーションを見つけるのに苦労したことはこれまでに何度もある。振り返ってみると、1週間かけてやっと書けた歌詞よりも、10分で書いたものの方がずっと効果的なような気がする。音楽のフレームに合わせて言葉をうまく並べてはみたものの、要するに何を言いたいのか自分でもハッキリしなく、その結果、核心が抜けたような歌詞になることもたまにある。それじゃもちろん意味がないのだが、ラッキーなことにそれでも済んでしまうのは、僕の担当する部分なんて、グループ全員で創る 部分の大きさや重要さに比べたらほんの小さな一部だからだ。この場合は曲自体が発展して一人立ちしてくれる。どうやってそうなるのか、具体的にいちいち覚えてはないけれど。

もしどうしてもアイディアが浮かばない時は、とりあえず歌詞のことは忘れて音楽のアレンジに浸り、メロディーを作り出す。マイクの前に立ち、自分の声を楽器として使うんだ。まったく意味のないデタラメ言葉(というより騒音)で音符やフレーズを繋げていくんだが、少なくともこれでメロディーが頭の中に出来上がる。歌詞は後で考えればいい。実際歌詞のアイディアが浮かぶのはものすごく変なシチュエーションでのことが多く、時にはとても不便な状況で思い付く。だからいつもノートと鉛筆を持ち歩くようにしている。バーで飲んでいる時にアイディアが浮かんだ場合は、ナプキンかビールのコースターがノートの代わりの役目を果たす。

"Ted the Mechanic" がそのいい例で、"House of Blue Light" を制作中、ヴァーモントのストウにあるパブで書き留めたメモが起点。何年も経ってから自宅のオフィスを整理中に、ノートにはさまったナプキン5〜6枚を発見し、この曲の素材にした。

スランプというのは制作活動における倫理の問題でもあると思う。何でもそうなんだが、物事というのは何度も何度もやっている内に、だんだん容易くなってくるものだ。スティーヴ・モーズは毎日何時間も練習しているから、その即興演奏は自身の一部と言ってもいいほどだ。スティーヴにとってギターで自分を表現することは、僕や君が会話をするのと同じぐらい容易いことなんだ。僕も毎日何かを書き留めており、長年やっている内に自分を言葉で表現することがかなり容易になってきている。

Cheers, ig

From: Pippa Beech

ハイ、イアン

質問が2つあります。

現在のようにソロアルバムの発売とパープルの作品の発売とが重なる場合、時期がぶつからないようにソロの方は後回しになるのでしょうか? 2つめは現在ネット上で The Highway Star からのリンクで聴けるロシア民謡風アレンジのパープルのヒット曲メドレーがありますが、もう聴きましたか? ご感想は? ちょっと変わってて面白いと私は思うのですが、どの部分がどの曲なのかよく分からない部分もあったので、また聴いてみなくてはと思ってます。それじゃ新作楽しみにしています。

Pippa

 

ハロー、ピッパ

2つめの質問については、時間がなくてまだ聴いてないので、君の判断に頼るしかない。1音1音オリジナルそのままに演奏するカバーバンドと違い、オーケストラやジャズコンボ、フォークグループその他によるパープルのカバーバージョンは、原曲とまったく違った解釈だから、どれも面白いと思う。

これまでに聴いた "Smoke" のカバーバージョンの内、一番面白かったのは南米のストリッパー Yvonne the Tigress によるもの。サンバのリズムに乗せた、ボーカルとハンドドラムだけでの録音だ。その本拠地であるクラブでの深夜特別公演を観た際は、それに加えてバックに "Get 'em on" というRepo Depo からの引用のシャウトも聞こえた。

僕のアニバーサリー・アルバムに関しては、確かに "Rapture" とぶつからないように発売を2006年2月まで延期した。2枚同時に発売するのはバカバカしいからね。パープルを何よりもまず優先し、それ以外のプロジェクトはその合間を縫って行うようにしている。ライブ公演にしても同じだ。

Cheers, ig

From: Jemma Hansen

アロー

"Call of the Wild" のようなビデオを撮るのは楽しかったですか? それからライブ公演で口パクをしたことはありますか?

コペンハーゲン、Jemma

 

アロー、ジェマ

いい質問だ。僕はテレビというものはロックンロールには適さないメディアだと思っていたから、ビデオは嫌いだった。他のジャンルの音楽にはピッタリだろうけど、ロックには全然ダメだって。その後も基本的に何も変わっておらず、居間で1〜2人の人間がテレビの前に座り、ひどい台本のビデオでミュージシャンたちが同じく下手クソな演技をするのを見るという行為は、ライブ体験のまったく逆、アンチテーゼそのものだ。確かに現在は以前より良い音質で聴くことができるようになったし、バーで飲みながら見ることもできる。だがその基本的精神は、テレビ媒体が限りなく求め続ける映像や話題、そしてこの2つが組み合わされて生まれる共通項、カウチ奴隷制度によって支配されているのだ。ロスで "Rapture of the Deep" の作曲およびレコーディング作業中、キッチンでは1日中MTVを、音を消した状態で流していた...そうか、そういう訳か!

"Call of the Wild" のビデオは、僕達バンド側にとってはビデオクリップという形式を諷刺する試みだった。見てくれれば分かるように、最初から最後までメンバー全員興味ナシで面白くない顔をしている場面ばかりだ。ただし制作費の請求書を見た時はかなり尊敬せざるを得なかった。25万ドルと言えば80年代当時じゃかなりの額だったから。そのすぐ後にMTVが「パープルは歳をとりすぎてるので、当局ではビデオを放映しません」と公式の表明をしたから、結局このビデオはまったくの無駄に終わった。俺達のこと誰だと思ってるんだ?と思ったものの、このポリシー発表のおかげでその後ビデオ制作に無駄な金を注ぎ込むこともなく、かなりの経費節約になったのは実にありがたいことだ。

だがもしあの時ちゃんとした台本やいいアイディアがあれば、今頃パープルはビデオスターになっていただろう。メンバーのガールフレンド(失礼、「メス犬」と呼ばないといけないんだった)に、お尻を見せながらピカピカの高級車にセックスを迫るような変な動作をさせて、おもちゃの札束を並べ、プール付きの大きな邸宅を1日レンタルして、「俺のズボンの前はキチキチだぜ」と手真似で見せ、手の指10本・唇・身体すべての関節にニセの宝石アクセサリーをはめ込むかブラ下げて、ちょこっと不良ぶってみればいいだけの話だったんだ。これこそ音楽だ! つまらないのは監督のせいにしよう。

とは言ったものの、テレビの宣伝効果が偉大だということは認めるよ。

ライブで口パクしたことがあるかって? あの...ないよ。

Cheers, ig

From: Earl Rushhead

ハイ!! "Toolbox" をCDで持ってるんですが、これ以外に発表されたレオナード・ヘイズがドラムを担当したイアン・ギランの作品って何なんでしょう? Y&T のホームページでは彼はイアン・ギランの作品には2作参加したと書いてあるので、もう1枚のタイトルを教えて下さいますか?

Earl

 

ハロー、アール

「Mayor of Hell(地獄市長)」がドラムスを担当した作品で、リリースされたのは "Toolbox" のみだ。Repo Depo という名前で無名になったバンド(メンバーはドラムスのレオナード・ヘイズ、ベース のブレット・ブルームフィールド [その五弦ベースのコレクションには、オークの木が何本も犠牲になった]、そしてギターのディーン.ハワード)がオランダで当地のボーランド・ブラザーズと一緒にアルバム用の素材をレコーディングの最中に、パープル再結成の話が持ち上がり、最初は仕方なく旧バンドに戻ることに決意した僕も、その後は正しい決断を下して良かったと思っている。でもオランダからイギリスに戻るフェリーの旅は、僕も含めてメンバー全員とても悲しい想いで過ごした。

当時レコーディングした中に "Easy Come, Easy Go" という曲があったのを覚えている。今でも自宅にカセットで残っており、もちろんちゃんとデジタル化してファイルでも保存してあるよ。

Cheers, ig

From: Phillip Thow

1つ2つ質問です。あなたの声と音域はとても素晴らしく、パープルの音楽に非常によく合っていると思います。

ブラック・サバス時代について、今ではどう考えてますか? 振り返ってみれば「俺いったい何を考えてたんだ?」と感じますか? それともサバスファンには受けなかったものの、あの時点では正しい選択だったと思いますか?

ニュージーランドをまた訪れる予定は?? パープルファンがたくさん待ってますよ!!!!

"The Platinum Collection of Deep Purple" を購入したところです。すごく良い選曲で、とても嬉しいです!!!

メール読んで下さってどうもありがとう。ロックオン!!!

Cheers!!
インヴァーカーギル(ストーンズは「世界のケツの穴」って言ったんですよ!!!)、 Phil Thow
(あ、僕じゃなくて僕の街インヴァーカーギルが、です!)

 

ハロー、フィル

まず最初に、ストーンズに対してそんな失礼なことを言う必要はないと思うけど(それとも僕の読み間違い?)まあ君たちニュージーランド人は物事をハッキリ言うので有名だからね。それはともかく、パープル全員またニュージーランドに行ける日を楽しみにしているよ。"Bananas" ツアーではとても楽しい時を過ごしたし、辛抱強く待っていてくれるお礼に次回はギランのソロ公演もあるかもしれない。

ブラック・サバスおよび "Born Again" については、参加すると同意した時点で僕は(ウッドストックの The Bear というパブで)グデグデに酔っぱらっていたし、今でもあれが正しい決断だったのかどうかは分からない。サバスファンの気持ちも分かるけれど、今振り返ってみるといいアルバムだったし、僕も彼等もそれ以外に活動していなかった時期だから、それなりに意味はあったと思う。

ちなみに "Gillan's Inn" 収録のためにトニー.アイオミ(ギター)、イアン・ペイス(ドラムス)、ロジャー・グローヴァー(ベース)という「ブラック・パープル」ラインナップで "Trashed" を最近レコーディングしたところだ。面白そうだと思わないかい? いや、思わないだろうとは思ったけど一応...

Cheers, ig

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